2021年6月18日金曜日

あー大黒湯

昨夜も睡眠のリズムがよくなかった。3時にトイレ。そこで目が冴え4時あたりだと思う。まあまあ強烈なこむら返りで悲鳴を上げた。もしかしてその悲鳴はナースステーションまで聞こえているかもしれない。深夜の静かな病棟に俺の叫び声。こむら返りはおそらく車椅子生活のせいか足やら腰やらに相当のストレスが蓄積されているせいやと想像する。しかも毎晩だ。その叫び声の事を夜勤上がりの看護師さんに伝えると「いーえ、なんにも聞こえてませんよー」とあっさり言う。どうなんだろうか。もしかして、毎晩こむら返りでうなされている夢でもみているのか。でも、こむら返りの激痛なのは間違いない。
 
7時あたりに目が覚めた。二度寝をしようとしたが8時には朝食が配られる。Tシャツと下着を洗濯して歯を磨きついでに頭も石鹸で。ついでに部屋の整理整頓し朝食。食後、部屋をでて新聞三紙読む。神戸、朝日、デイリー。部屋に戻ると今日のスケジュールの説明を受ける。10時30にお風呂。13時5からリハビリ、15時40からリハビリ。おー!今日は風呂か。週に2回の風呂。朝、頭を洗ったことを後悔する。
 
お風呂の時間になり、若い助手が俺の風呂をサポートしてくれるようだ。風呂にあてがわれた時間は20分しかない。その中に服を脱ぐ時間、それから着る時間も考慮すると10分以内に全てを終わらなくては。前回の風呂の時にその10分の時間内で湯船に湯を張り5分ほど浸かり極楽気分を味わえたから、今回もゆっくりとは言わないが湯船に浸かりたい。さあ、時間がない。助手は更衣室までついてきて服を脱がす作業を手伝ってくれた。「時間はあっという間ですからね」わかってるって。
 
最速で服を脱ぎ、ドアを閉めた瞬間お湯を張りながら、身体を洗い洗髪する。湯船を見たらまだ水深10センチオーバー。いいぞ!いいぞ!20センチまで張れば湯船にインだ!
 
その瞬間、風呂のドアが開き「あきませんよ!風呂につかるのは。先生はシャワーだけしか許可してないんです」
 
え!
 
びっくりした俺はあわてて風呂桶を探しこう言い訳した。
 
「入らへんて。こうやって風呂桶で温かい湯をバサバサかぶるねん。これが楽しみやねん」
 
軽くテンション下がる。
 
体を拭き部屋にもどる。若い助手のにいちゃんに「シャワーだけにしてくださいね。湯船にたまった湯の中に菌があれば縫合した患部から菌が入り大変な事になりますんで」
 
その後、リハビリの担当の可愛こちゃんに「聞きましたよ。湯船につかろうとしたんでしょ。みんなで爆笑しましたよ。そんな人初めてって」
 
もう、湯船に浸かる事はあきらめた。
 
1枚目 ニュースを見たらこれから1週間は天気は良くないらしい。
 
2枚目 昨夜もスマホで将棋。金と銀と駒が成ってからの進み方が覚えられないがまた勝った。不思議で仕方ない。
 
3枚目 俺は西宮の病院で入院して、宮川町大黒湯に行く事は出来ない。それとは関係なく今夜も大黒湯のネオンは輝いている。