2023年3月31日金曜日

野沢温泉の夜

滑り終わると宿に戻り夕食が6時から始まる。始まると言っても今夜は宿のお客さんは僕だけ。部屋に帰り夕食までは時間があるので宿の近くの外湯「中尾の湯」でゆっくり温泉だ。ウイスキーを軽く飲み熱い温泉に浸かる幸せ。外湯には誰もおらず1人だけの贅沢。聞こえるのは湯船に落ちる静かな源泉の音だけ。なんて時間だろう。

宿に戻り部屋から見える野沢温泉の景色を眺めていたら女将さんから「古屋さん、ご飯できたよ」と声がかかる。女将さんには、1人やしわざわざ作らんでもええよ。一緒に晩御飯食べよ、俺1人やし。朝ご飯は、シャケと目玉焼きと味噌汁とご飯だけでええからねと伝えていたけど驚いた事にたくさんのおかずを用意してくれていた。女将さんと話すのは久しぶりだったので食事しながらいろんな話をする。女将さんが「実はね、もう辞めるのよ。この宿。もう疲れちゃった。ゆっくりするわ。でも最後に会えてよかったね」ほんまかいな。そやけど、俺もこれてよかったよ。ほんまに偶然というか縁というかな。野沢温泉にくる際2軒の宿に断られ、思い切って「たかさか」に電話して本当によかった。

楽しい夕食が終わり、まだまだ時間はある。

久しぶりに野沢温泉の街にぶらりと散策することにした。

2023年3月29日水曜日

レストハウス

野沢温泉スキー場の楽しみのひとつにレストハウスで過ごすひと時がある。数年前からメインのレストハウスで石窯ピザ風が食べれるようになりこれがまあまあ美味しい。熱々のピザはたいがい美味い。ドロリと溶けたチーズにビールは魅力ある。が、それを野沢温泉のゲレンデで食べるのもありだが、それよりも昭和のあの頃から何一つ変わらないレトロなレストハウスに俺は魅力を感じる。もう野沢温泉には20年以上毎年通っているが、行けば必ずよるレストハウス「上の平山荘」34歳に始めて野沢温泉に行ったから、あれから22年がすぎたので俺はいろいろありまあまあ老けたが、食堂の女将さんは田舎の松坂慶子で全く老けてない。その松坂慶子さんが「いつもありがとね」と言葉を交わしてくれる。俺みたいな中途半端野郎が、遠く離れた野沢温泉のレストハウスに俺を覚えていてくれて「久しぶりだね」と言ってくれ松坂慶子がおる。あー来てよかったよ。

それからこの日は春の快晴だったので何本も滑った。念願のスカイラインも思いっきり滑走した。写真もたくさん撮って、ポケットに入れてたウイスキーもチビチビ飲み夕方までゲレンデで遊んだ。スノーボードを始めて23年ほどすごしたが春のザク雪の魅力を初めて知った気がする。ザク雪は、もうテクニックの向上とかカービングとかはもういい。ゆっくりゲレンデの景色を楽しんだり、レストハウスでビールを飲んで仕事の事を過去にしてくれたり、自分を見つめて未来を探せたりさせてくれる。それを感じながら、一人旅っていいなぁ。一人旅だからこそ旅先での人とのふれあいに心が安らぐ。

この日はゲレンデクローズする最後まで柄沢ゲレンデで滑った。ゲレンデの営業時間が終わる。村内放送で、オルガンで夕焼け小焼けがながれた。

2023年3月27日月曜日

野沢温泉の民宿

10年ぶりに訪れた民宿「アップルインたかさか」女将さんが「鍵、開けとくからね」と言ってくれてたから宿に着くと荷物置き部屋に荷物置き整理していると女将さんが「古屋さん、久しぶりだね」と挨拶しに来てくれた。その声すら懐かしく、女将さんの笑顔も10年前と全く変わらない。部屋、入っていいよ。ゆっくりしてね、と鍵を渡してくれた。あの頃、毎年来ていた宿なのでどこになにがあるか分かる。民宿の階段を上がり渡された部屋に入ると、胸が熱くなった。何一つ変わらない部屋、布団、部屋に差し込む日差し。荷物を置き時計を見るとまだ8時半。旅は始まったばかり。スケジュールは真っ白だ。さて、どうしよう。とりあえず夕方の4時にはゲレンデはクローズする。時間配分は逆算して計画を立てなければ。昼ごはんをいただくレストハウスに行く時間。スカイラインコースを滑るタイミング。時間配分の逆算。ところがその反面、俺は時間を忘れ野沢温泉に来ている。せかせかしてどうする。時計を外して携帯も部屋に置き、全てを忘れて時を過ごす。それでもいいじゃないか。そうやな、ゆっくり野沢温泉を満喫しようと決めた。それではと、宿から徒歩3分に無料の外湯「中尾の湯」がある。ウイスキーを一口クイっと飲み干し、スーパー熱々の温泉にサクッとつかりに行くことにした。

旅の始まり

月曜日は1人でお店を回しているが、23時には京都駅に着かないとバスに間に合わないからバイトにミホさんに手伝ってもらい9時半にシャッターを下ろした。それは夜行バスに乗る前にどうしても銭湯でサッパリさせ仕事モードを過去にし、完全に旅行モードに気持ちを入れ替えたい。京都のレトロな銭湯から野沢温泉に向かうアプローチが旅気分を盛り上げる。自宅から京都駅に行ける銭湯は梅湯か七条の大黒湯の2択。梅湯はサウナがあるが大黒湯は湯船だけだがレトロ指数は大黒湯が断然高い。しかも大黒湯から直線で京都駅に行けるから大黒湯にした。23時に着かなければならないから銭湯滞在時間は45分。充分だ。熱い湯に浸かる。その瞬間に全てが過去になった。夜行バスに乗り目覚めたら野沢温泉に到着。もう楽しみしかない。サクッと湯に浸かって京都駅へ向かう。コンビニでウイスキーを買って夜行バスを待つ。夜行バス乗り場は信州へ滑りに行く学生が見受けられた。こっちはおっさん一人旅だ。バスが京都駅を静かに離れていく。ウイスキーをストレートで飲んだ。俺はいつのまに、こんなおっさんになったんだ。目をつぶって睡眠を待ったがなかなか寝付けない。それでもいつの間にか寝てしまい、目覚めたら雪景色の野沢温泉に近づいていた。

2023年3月25日土曜日

野沢温泉一人旅

僕の数少ない趣味の一つにスノーボードがある。雪が降り始めると毎日のように志賀高原と野沢温泉の積雪量をチェックしインスタで投稿されるゲレンデの様子を見て、羨ましく思う。今年はいろいろあって正月に一度でもだけ行ったきりで行けていなかった。あー広大な雪山を思う存分滑りたいな。そうなると、その気持ちを抑える事は出来ない。思い切って激安弾丸野沢温泉一人旅ツアーに行くことにしたのは木曜日の夜だった。出発まで4日ある。いいぞ、いいぞ。まずは夜行バスの手配からだ。

なんのために働いているんだ。毎夜、仕事が終わって銭湯だけの日々だけでなにが楽しい。56にもなれば男一人旅も必要だと思う。あとは行くタイミングを探すだけだった。行き先は野沢温泉。あとはどこに泊まるかだ。

スケジュールとして火曜日が定休日なんで月曜日はきっちり仕事して夜の11時25分に京都駅八条口から野沢温泉行きの夜行バスに乗り7時30に野沢温泉に到着する。それからゲレンデに行き夕方まで滑り一泊。次の日の午前中は滑って2時過ぎに飯山駅までシャトルバスで行き、それから金沢。サンダーバードで京都駅に7時すぎに到着。よしよし。宿は3択。どれも一泊八千円以下の民宿。野沢温泉はそれでいい。自家製豆腐が売りの民宿に電話したらいっぱいで断られ、もう一軒は古民家の小さな民宿に電話したら断られた。ラストはいろいろあって何年も行けてなかった民宿に電話した。「アップルインたかさか」という民宿で10年ほど毎年通っていたから女将さん含め家族全員仲良しの宿だった。一度行かなくなると電話もしずらくなる。だけど、仲良くしていた優しい女将さんにどうしても会いたい。思い切って電話したら、とても懐かしく対応してくれ嬉しかった。

「いつ来られるの」「火曜日泊まるねん」
と伝えると火曜日は休みなのと言う。あーこれもタイミングが悪かったなと思うと、女将さんは古屋さん、1人なの?と聞くから、そうですよと答えたら「じゃー鍵を開けとくから朝着いたら荷物置いといて。いーよ」と迎えてくれた。

その瞬間、僕は出発の月曜日の夜まで頭の中は雪深い野沢温泉のゲレンデや「アップルインたかさか」の宿の匂いを思うとワクワクする。外湯の温泉や大好きなゲレンデにあるレトロなレストハウスで飲む珈琲。山頂から一気に滑り降りるスカイラインコース。野沢温泉に決めてよかったと自分をほめる。

宿の手配がすんで電話を切った時からもう旅は始まっていた。

2023年3月9日木曜日

ガラスの破片

いつの日か覚えてないけど、きっと床に落としたグラスの破片を拾った時にその割れたグラスの破片の小さなカケラが親指に刺さったままで不快な日が続いてる。確実に刺さっている。おそらくその破片はミリ単位以外の破片だが、その部位を押せばズキンとくる。おしぼりを絞ると痛くて力が入らない。しかも、そのガラス指侵入トラブルからもう数日も経つので傷口はふさがり完璧にガラスの破片は指と一体化してしまった。しかし、ガラスの破片はどうにかして取り出さないと永遠にその痛みは消えることはない。

京都に来て唯一のかかりつけ医は出町柳の「やまぎわ整形」なので電話して治療をお願いすると、うちではそれはやっていないと言う。おおきな病院で治療したらと。困った。もしかしてこれは整形ではなく外科の治療かもしれない。かと言って京都の外科なんか知るかいな。

スマホで「河原町七条 外科」で調べ電話してみた。なんとなくよさげなHPを選び。最初の一件はクソ愛想悪くやめ、次は出ない。その次のHPの医院の写真は、その外観はまるで世界遺産級の木造建築でおそらく戦前からありそうな医院。ものは試しと電話したらモロおばあちゃんが対応し「うちは土曜しか受け付けないんですよ。それでもよかったらお越しください。大丈夫ですよ」とのこと。おそらくその外科の先生もおじいちゃんかな。はたして、米粒以外のガラスの破片、見えるんやろか。

こうなると、行ってみたくなった。

土曜の朝に行ってみることにした。

2023年3月7日火曜日

3月

3月になり、少しは暖かくなったかもしれないけど、仕事が終わり大黒湯へ行く時はまだまだ寒い。この時期の宮川町筋は、京おどりが始まり宮川町の細い路地にはなんとも言えない艶ある紅いぼんぼりが灯り春の訪れを感じさせてくれる。この時期にしか見れない夜の宮川町だ。

仕事が終わり、銭湯に行く毎日。熱い熱いサウナに電気風呂と水風呂とジャグジー風呂。俺の京都ここにあり、だ。昼間の四条河原町も観光さんや外国人で人はいっぱい。まだまだ俺の店は有名にはなってないと実感するが薄くよくなり出した気がする。この2年はこのままでいい。美味しい評判をひろめるのみに専念しよう。欲は山盛りある。

今朝の新聞の記事から。

5類以後の対策として、化粧品のポーラの社長の意見を読んだ。マスクの着用が常態化し、相手の表情が見えない不安、顔を隠す安心感、表情を人前にだすためらい。なんなんだろう、この日本はと思う。マスクをして安心と言っているのは世界で日本人くらいだ。表情って大切やで。笑顔、悲しい顔、ご機嫌ななめ顔、そんな顔が大好きだ。ニュースで他国のスポーツを見ると誰一人マスクをしていない。3月13以降はマスクはほぼしなくてもいいとなるが不思議なことに百貨店入る人はマスクは大丈夫だが働くスタッフはまだ着用義務があるらしい。意味がわからない。今の日本の給料は先進国最下位らしい。おそらく伸びることはないだろう。たった9席しかない餃子屋のおっさんやからなにを言おうがなんの影響ないから自由に言える。海外ではマスクしてるのはコロナ患者とみなされてるらしい。とすると世界からはいまだ全ての日本人はコロナ患者と見られてる。

日産のコマーシャルじゃないが、キムタクに
「はずしちゃえ、マスク」と言って欲しい。

なにが言いたいかと言うと、もっと日本の景気が良くなり街中に人があふれ笑顔溢れる日本になって欲しいと本当に思うからだ。

笑顔が1番よ。今日は他人に気持ちわるがられてもいい。ずーっとニヤニヤしていると決めた。