2024年2月4日日曜日

三千院

出町柳から電車に乗り終点で下車。それからバスに乗った。どんよりとした曇り空。三千院で降り三千院へと歩く。さすがに平日の冬の3時あたりのせいか人はまばら。入り口の門前には京都で有名な漬物屋が数軒つらなり、さすが三千院だなと。垣根にはびっしりの苔。寺院に来ると美しい苔を見る事がある。それだけで気分が盛り上がるのはどうしてだろう。

お金を払い寺の建物に上がる。誰もいなかった。広い畳の先に綺麗に整理されたお庭が広がる。誰もいないから畳にゴロンと横になり目をつぶってみた。それから進路を歩くと名前のわからない仏像がありそこで建物から出る。そして杉のような大きな木が並び、導かれるようにその小道を歩くと小さなお堂が現れた。そのお堂は数段上がると中が見えそうなので、なにがあるんだろと階段を上がった。

そこには大きな阿弥陀如来が静かに鎮座されていた。少し暗いが阿弥陀如来のお顔がじっと俺を見ている。薄く開いた半目で俺を見ている。

俺はその目を俺からも見たい。

阿弥陀如来の目を探した。すると女性の声で「阿弥陀如来さんはなにをゆうてはりますか」と聞かれた。それは、その阿弥陀如来のそばで三千院で働く案内人のお姉さんだった。

「ゆっくり話してくださいね」

俺は、話しかけられているか、私が阿弥陀如来に問いかけてるかわかりません。ただ、全てお見通しにされているのは確かです。と、答えた。

お姉さんは「今日はきっと阿弥陀如来さんに導かれこちらまで来られたんですよ。この上にお不動さんもおられます。よかったら」

三千院には不動明王もいるのか。俺は不動明王を崇拝している。毎日、真言を唱えているほどだ。俺は胸がわいた。阿弥陀如来堂を後にし、お不動さんに向かって歩いた。