2023年6月30日金曜日

広隆寺

僕は変わった小学生だったと思う。なぜか4年生くらいの頃から奈良と仏像と京都の南禅寺に興味を持ち、よく父方のおじいちゃんに奈良に連れて行ってもらっていた。興福寺、東大寺、薬師寺、室王寺。そして6年生になると1人で寺巡りをするようになり首からカメラをぶら下げ阪急電車に乗って河原町まで行き、ポケットにはカラーブックスの「京都の寺」を入れ右も左もわからん京都の寺を探し、大好きな南禅寺に行った。もちろん広隆寺の弥勒菩薩は知っていたが広隆寺は河原町から離れており、いつか行きたいリストには入れていたが、いつのまにか仏像より女の体に興味が移りその趣味は薄れていった。

そんな俺が今、京都で暮らしている。先日、松重豊の本で「広隆寺の弥勒菩薩」というフレーズを見て以来、広隆寺が頭から離れない。広隆寺の弥勒菩薩のビジュアルは知っているしスマホで検索すればすぐに見ることが出来る。柔らかな笑みの女性的な仏像。もう40年ぶりに仏像だけを見に行く。これもなにかの導きなのか。俺から弥勒菩薩に会いに行ったのか、弥勒菩薩に誘われたのか。

「広隆寺の弥勒菩薩」

調べてみると河原町から西院まで行きそれから路面電車で10分ほど。そんなに遠くはないぞ。少し早く家を出ていけば余裕で見れる。せっかく京都に住んでいるんやから京都を満喫したい。コンパクトデジカメをポケットに入れ河原町から西院、路面電車で広隆寺まで行く事にした。