2021年8月9日月曜日

塩屋日記 その4

台風9号は広島あたりを抜けるとの予想だったから神戸あたりは大した事にはならないと思っていたが昼前にはベランダから見える海は荒れており、おまけに満潮だったので狭いジャリ浜の塩屋浜も高波でそのジャリ浜も見えたり消えたりで激しく台風の影響をモロに受けていた。
 
一旦は台風も過ぎ去ったように見えたが、その後は一瞬静かになったがそれからは風のほうが強く、その風にあおられさらに波が強くなってきた。が、時は過ぎると先程の高潮もゆっくり下がって砂浜の幅が広がってきた。潮が引いてきたのだ。
 
雨が過ぎると午後から垂水の古い街喫茶店に行くと決めていたので、外の風はまだ少し荒れていたが雨は止んで傘の必要もない。鞄に喫茶店で過ごせるようにと、みうらじゅん著「清張地獄八景」の一冊と、いつ買ったか思い出せなく何年もテレビの横に飾っていただけの古いデジタルカメラとその解説書を入れ塩屋駅に向かった。
 
1枚目 台風の影響で荒れた塩屋浜。こうやって台風がきて、満潮に当たると浜に残された普段のゴミも狂った波で全て流されて明日の朝、ゴミ一つないきれいな砂浜になる。
 
2枚目 垂水の古い喫茶店「ブラジル」へ。スタバもドトールも大好きだが、昭和の時代をそのままに残す日本の大切な遺産である、いわゆる「昭和喫茶」がどうも落ち着く。僕のおばあちゃんは元町で「ウインナ」という喫茶店をしていた。
 
3枚目 今回のヒザの入院の2ヶ月はまあまあデカイ出来事に入る。生涯忘れることはない。童貞卒業、餃子屋開業、父になる、頭蓋骨骨折、大腿骨壊死。俺の中の人生ビッグイベント。その大きな出来事をある意味とても大切にしたい。その出来事をいつも思い出せるようにと入院中考えていた。じゃいつも身につけているものと言えば腕時計なんで、ホンマはロレックスのデイトナやけどそんなん買えるわけないのでセイコーのプロスペックを入院中暇やからスマホで物色してた。14万くらいするやつ。でも結局買ったのはヤフオクで1万八千円の80'Sのセイコーの中古。今の最新の洗礼されたデザインより、この無骨な柔らかみのあるレトロな輝きがいい。誰がはめていたのか分からないこの中古。これからは俺と道中するんだぞと。時刻の丸のアクセントが可愛い。
 
4枚目 いつ買ったかわからない自宅にあったデジカメ。オリンパスで、たしかPENのデジカメの初期の作やと思う。これも中古で確か9000円くらいやった。ボディのアルミ調にグッときて一万以下やったから。買って一回も使ってない。今はゆっくり時間はある。この際、説明書をじっくり読んで使い方を勉強しようと。今、振り返ればオリンパスのPENを選んで我ながらよかったなと思う。
 
5枚目 今回から入院中に読んだ本5選を紹介しようと思う。人の性格と選ぶ本の関係性を知りたい。本はその人の鏡なのか?
 
第1冊目 中年おじさん俳優、松重豊の「空洞のなかみ」
 
孤独のグルメの番組で知った松重豊。たまたま京都駅前の大垣書店で見つけなにげに購入。第1節の京都の太秦あたりが舞台の表現がいい。主人公は東京の俳優。京都で育った人じゃない京都の描写の文に共感する。夕立で濡れる太秦の路面が目に浮かぶ。実はその太秦に行ったことないのだが、うずまさ、とう地名が京都丸出しでいい。入院中、西宮の浜沿いの病院だったので、移住した京都の街が遠くに思う。後半のエッセイも、オマケ感があり飽きない一冊でした。
 
気に入った本は、御守りみたいに常に所持している派。