2017年12月24日日曜日

膝の骨の病気があるから杖を持っているが、その杖がとても役立っている。
 
ホンマは松葉杖せなあかんかもしれないけど、そこまで痛みはなくなってきたし杖のほうが使い勝手が慣れてるから今は杖をついて歩いている。だが、左足はガッチリギブスしているからひざを曲げられないので歩行がかなり不自由やし階段の登り降りも変なリズムで動いている。
 
杖の使用により、世の中の見えなかった「人の優しさ」がはっきりと見えた。
 
膝の具合がましになり電車で通い始めた。
 
そしたら驚いた事に電車に乗ると必ず席を譲ってくれるのだ。昨夜は、ヘッドホンうるさいチンピラロッカーの野郎が私を見た瞬間サッと立ちシャカシャカと漏れるうるさいヘッドホンとともに隣の車両に消えていった。だが昨夜は電車が混んでいて私のそばにお年寄りの婆さんがおったからその婆さんに座らせ私も隣の車両に移動した。そしたら若いOLさんがまたもやサッと立ち「どうぞ」と。ここはその行為に甘えて「ありがとう、助かります」と座った。そのOLさんは須磨を過ぎてもまだ立っていたので塩屋で私は下車する前に「ありがとうございました」と伝えたら「餃子屋さん、たまに行ってます」と言った。あーどうしたらいいだろう。
 
今朝は元町駅で有馬記念を買いに行く途中で、おそらく80過ぎのジイさんが私の前にジイさんのウデが差し出された。私はなんのことか一瞬わからなかったがジイさんが「これ、もたんかい」と階段降りる補助をしてくれた。80過ぎのジイさん。階段降りて、ありがとうと言ったがジイさんは馬券場にボロボロの新聞腰にさして消えていった。
 
昨日は、おそらく生後数カ月の赤ちゃん抱いた若いママが「どうぞ」と言って次の次の駅で下車した。
 
そうかと思えば「のけや」と言ったチンピラもおる。左手に握っている杖でそのチンピラの目を思いっきり突いたろかとぐっとチカラが入ったが、この杖は私の体の一部やし、宝物なんで、ジーっと睨み返した。そのチンピラは「なんやこら!」とチンピラの目の血管が見えるまで顔をよせてきたが黙って睨み返した。謝らないよ。
 
年末やし、休みないし、膝の皿は骨折しているし、いろんな問題は山積みやし、なかなかうまいこといかない。
 
それでも、街には実は優しさがあふれているかもしれない。悪い人はほんの一部かもしれない。
 
ただ言えるのは、杖をついて生きていると一日、何回も「優しさ」に出会える。
 
もっと頑張らないといけない。