2021年7月9日金曜日

よかったよ

今日、オペ後、初めて松葉杖つきながらやが左足を地面につけて歩いた。主治医の先生から7月末には退院できるよと言われた。よしよし、今日、この時点で競馬で言う「向こう正面、やや中段あたり」
 
来週の金曜日に第3コーナー曲がり再来週の金曜日には第4コーナーに入り、それから7月末日まで直前一気にゴールという流れになるだろうが実際には退院まで何が起きるかわからない。とりあえずは慎重に進めていくしかない。
 
今日は、昨日ほどではないが昼過ぎから予報通りに雨が降った。この2、3日はすっきりしない天気らしいが週明けから梅雨も終わり暑い夏が始まるらしいが、病院はクーラーが常に効いて季節感は全く感じられない。それより退院してから過ごす1週間の幸せを想像する。その事ばかり考えてる。
 
入院中は、リハビリ以外は本当にすることがなく5階の談話室の窓から景色を眺めるだけしか楽しみはない。毎日同じ景色を眺めてる。だが病院の位置がイマイチ分からない。JRのさくら夙川駅から南に行き、その突き当たりに病院はあるのだが談話室の窓から見えるのは浜ではなく運河でもなく水辺がありその向こうには埋め立て地があり倉庫やビルやマンションが見える。大橋も見える。初めて見る景色。そこをずーっと眺めてるとだんだんこんな気持ちになってきた。
 
「お前はいったいどこにいる」
 
一年前に生まれ育った神戸を離れ京都に移転して七条鴨川の1Kに住み四条河原町の古い会館の2階の8席のカウンターだけのスナックほどの店舗で1人で餃子焼き、神戸にはたまにしか帰らないローンを払っている築50年のマンションがある。もちろん僕を知ってる人ならご存知、神戸では3回お店を移転して計4店舗で23年がすぎた。そのせいでカラッポだ。京都に移転したらしたでまさかのコロナ。挙句にこの年明けから左足が痛みだし、今、こうやって松葉杖つきながら病院の談話室でこれを書いている。
 
そんな時、ふと思う事があって、こうやって僕みたいに地元を離れて生きている人は山盛りいてて、転勤族のサラリーマンの方がそのまま転勤先で家を買い終の棲家にしてしまったり、プロ野球選手も大リーグに行きトレードで何度も球団を変えるなんてザラにある。イチロー、松井、ダルビッシュも。
 
だけど、飲食店で僕ほど移転する人はかなり稀やと思う。
 
あー
 
俺はいったい、なにをしているねん。
 
病院の屋上から、この景色を見ていると毎日そう思う。
 
振り向くな、そのまま行けよ
手を振るな、走っていけよ
そのほうがいい
そのほうがいい
 
そんな時、いつも頭の中でcharの
「逆光線」の歌が流れる。