昨夜、最終の新快速で塩屋に帰る。やっと休める。少し仕事を離れて過ごそう。とはいえ、やる事は山盛りだ。その前に先日、俺の59歳の誕生日に大好きな西明石の居酒屋「万安」の思い出を。
西明石の万安。ここは俺的に世界遺産に登録されている居酒屋で、塩屋のツレに「泰三さんやったら絶対好きになりますわ」と教えてもらい、ホンマかいなと10年ほど前に浴衣美人と行ってみたらすっかり大好きになって時間があれば飲みに行くようになり、いつしか女将さんと調理師担当の息子さんとも仲良くなりさらに行きやすくなった。とにかく美味しくて、名物「スジ煮」や明石の魚、串カツなどなにを頼んでも間違いなく美味い。それになにより80過ぎても元気一杯の優しい女将さんの接客に触れると、今こうやって万安のカウンターで日が沈み、薄く夜が始まる西明石で酒を飲んでるこの時間がたまらなく素敵だと感じる。しかも全てが昭和の時間が止まっている。そんな居酒屋で毎年ここで誕生日を過ごす。浴衣美人がここでご馳走様してくれる。
今年は寺夫妻も参加し4人で万安で乾杯した。
誕生日に洒落たレストランでシャンパン飲みながら、59歳の感想を喋るなんてダサい。これからの抱負を語るとか俺には無理やし。人生は小さな積み木を一つ一つ重ねるしかない。求めると逃げる。年齢は単なる数字。
女将さんは、まあまあの高齢やからいつ閉店するか気になるところがこの夜、女将さんと話したらこう言われた。
私は死ぬまで働きます。お店が大好きなんですよ。
その言葉を聞いて安心した。
いつまでも西明石に万安の赤い提灯が灯っていて欲しいと願う。