滑り終わると宿に戻り夕食が6時から始まる。始まると言っても今夜は宿のお客さんは僕だけ。部屋に帰り夕食までは時間があるので宿の近くの外湯「中尾の湯」でゆっくり温泉だ。ウイスキーを軽く飲み熱い温泉に浸かる幸せ。外湯には誰もおらず1人だけの贅沢。聞こえるのは湯船に落ちる静かな源泉の音だけ。なんて時間だろう。
宿に戻り部屋から見える野沢温泉の景色を眺めていたら女将さんから「古屋さん、ご飯できたよ」と声がかかる。女将さんには、1人やしわざわざ作らんでもええよ。一緒に晩御飯食べよ、俺1人やし。朝ご飯は、シャケと目玉焼きと味噌汁とご飯だけでええからねと伝えていたけど驚いた事にたくさんのおかずを用意してくれていた。女将さんと話すのは久しぶりだったので食事しながらいろんな話をする。女将さんが「実はね、もう辞めるのよ。この宿。もう疲れちゃった。ゆっくりするわ。でも最後に会えてよかったね」ほんまかいな。そやけど、俺もこれてよかったよ。ほんまに偶然というか縁というかな。野沢温泉にくる際2軒の宿に断られ、思い切って「たかさか」に電話して本当によかった。
楽しい夕食が終わり、まだまだ時間はある。
久しぶりに野沢温泉の街にぶらりと散策することにした。