休み明けだったからそうなったのか、目に見えないなにかに疲れてそうなったのか。塩屋のテラスがら見える海が見たかったのか。とにかく気持ちが前向きになれなかった。だから、ここは一旦塩屋に帰り気持ちを切り替えるのが得策だと思う。
「仕事、チャンスあればさっさと切り上げ最終で塩屋に帰ろかな」そう考え出したのが夕方6時くらいだった。
京都の街から紅葉が終わり12月に入ると異邦人はいるのはいるが静かに少なくなり、そう言えば先日いつもの大黒湯でたまに会うおっさんも「東大路のバスも旅行者少なかったわ。すぐ乗れましたわ」と言っていた。餃子屋も以前なら開店前から階段の端まで行列が出来ていたが、もう誰も並ばなくなった。これなら帰れるチャンスはあるな。頭の中は10時50分にここ出たら間に合うの逆算で時計の針の進行具合見ながら、ラストオーダーを取り最後に残ったイタリアから来た若いカップルと一緒に賄いを食べダッシュで後片付けする。
シャッター下ろしたのが11時。間に合うんかいなと高島屋前からタクシー乗り京都駅に着いたのが最終15分前。もう大丈夫。頭の中は塩屋の家で過ごすのは短い時間やけど、とりあえず帰れる。朝、目が覚めたらテラスから海が一面に見える。気持ちも萎えてるから酒でも飲んで、スマホに入ってるサウンド聞いてパーっといこう。コンビニに入りハイボールのロング一本とピーナッツを買い最終電車に飛び乗った。