11時45分。看護師さんと手術室まで点滴持ちながら歩いていく。手術室の中央に細いベットがあり、よろしくお願いしますと横になる。すぐさま厚化粧の麻酔医の姉さんが自己紹介し、こちらこそよろしくと。不思議なもので、その厚化粧さがオペ前のナーバスな気持ちを和らげてくれた。スナックのママ級の厚化粧。午前中やのに夜の化粧。ホッとするのはなぜだ。生きる余裕を感じる。厚化粧から。厚化粧の麻酔医さんが、今から麻酔入れます。少し痛いですと言った瞬間からなんとも言えない痛みが針の部位からヒリヒリしてきた。その痛みがマックスになろうとした頃から意識がフワッと消えていく。その間、おそらく数秒。目が覚めたらベットの上だった。
1枚目 術後の夕食。和食だ。美味しい。こうゆう味に飢えている。ふと思った。イタリアの病院のご飯ってどんなんやろかと。スペインとか。フランスとか。インスタで探したいがスペルがわからん。
2枚目 担当の中山先生が「古屋さん、完璧ですわ」と。今回は左足の膝やけど、右足もオペする可能性あるんですか?と聞いたら、ないことはないと。しないままもあると。確かなのは、これだけはどうしょうもない。もっと辛い人は山盛りいてる。
3枚目 オペ後、ベットで考え事をしているとなぜだろう。蓮の花が頭に浮かんだ。きっと、京都、寺、蓮の花という連想ゲームからか。早速スマホで「京都、蓮の花」で検索したら大蓮寺というお寺が出てきた。ぜひ時間を作りお参りしたい。蓮の花は泥の上に咲き、蓮根になるとこの歳になって初めて知った。美しい蓮の花の下には泥がある。美しい人も、輝いている人もその見えないところに泥のような下地があるんだなと。