入院中に読んだ本5選
2冊目 村上龍「ポップアートのある部屋」
30年くらい前からずっと本棚にあり、旅に行くときには必ず持っていく一冊。12話のショートストーリーでこの本とは30年も共に過ごしてきたのにそのストーリーの一つも覚えてない。もしかしてこのポップアートの表紙が好きなのかも。
僕はこの本の影響でアメリカンポップアートの画家であるリキテンシュタインを知った。もう無くしてしまったが、寝室にリキテンシュタインの大きな絵を飾っていた時期がある。この絵のクルマを飛ばしている男は運転中も惚れた女の横顔すら一瞬でも見たい。だからアクセルを踏んでる最中か、信号待ちのタイミングか分からないがチラッと女を見た。その見られてる女は振り向きもせずただ前を見るだけ。このスカした女は男に運転させながら別の男を想っているの図か。
それと、この本の1ページが絵葉書になっている。その絵葉書に村上龍が書いた一枚。一度でも、こんな絵葉書を書いてみたいなぁ。しかも海外で。文学っていいなぁ。アートっていいなぁ。
今回の入院も、この本を持って行き屋上で、談話室でこの何度も読んだショートストーリーを、また読み返した。1話で10分もあれば読み切れる。80'sのアメリカにタイムトリップ出来る。あの閉鎖された入院生活やからこそ、文字を読むだけで心が安らいだ。
村上龍は、僕の大好きな作家ベスト3に入る。