その、高級ブティックの女性がこんな安物の腕時計をしていたことに驚いた。
僕は「僕と同じ腕時計ですね。しかしどうしてこんな安物の腕時計をつけているのですか?」
「私、この腕時計は10年前に購入して、ずーっと愛用しているんですよ。なぜか気に入って他の時計を欲しいとは思わないんです」
僕は、そんな言葉を聞くと、この安物の腕時計がカルチェやロレックスより輝いて見えた。また、その彼女がとても素敵な女性に見えた。サラッと「この腕時計、気に入ってるんです」と言えた彼女が。
オシャレって、なんだろう。
スタイルって、なんだろう。
堂々と、1000円の腕時計を「気に入っている」と、言える高級ブティックの女性。
かっこいいと思った。