このところ、後片付けが終わりお店のシャッター下ろす時間が深夜2時を過ぎている。昨夜は3時半だった。5時に満席になり、7時あたりに次の10名さんが入り、最後の10名が席に座るのが9時前というパターンだ。最後のお客さんは2時間はあの狭い廊下や階段で待ってくれている。2時間も。しかも席に座っても、俺は包んで焼くから餃子が焼き上がるまでさらに30分はかかる。申し訳ない気持ちでいっぱいだが、注文が入って包んで焼くスタイルがマイスタイルやから仕方ない。
そう言えば先日、若い子連れの日本人の家族が来て、俺は見た瞬間「こいつは自分のルールから外れたらグチグチ言うやろな」とわかったから「兄さん、僕とこの餃子、たった4人前焼くだけで1時間はかかりますよ。ドリンク出すのもめっちゃ時間かかりますし、ホンマにたった4人前焼くのに1時間かかるんです」と伝えたら「まあ、しやーないやん」と言いながら座ったら案の定グチグチ文句言い出しあろうことか「うちの子だけでも先に出したってーな」と言い出す。どんな教育やねん。挙げ句の果てに「俺は祇園の天ぷら屋やで」とか「マスター煙草すうん?」俺はやめられへんわ。やと。ヨメハン、その横でニヤニヤしてるがな。俺もたいした人間ちゃうからあんまり言われへんが、俺の世界では考えられない。その後、3日ほど怒りがおさまらない1週間でした。まだ思い出しても怒りがおさまらんが、もうどっちでも良くなった。
昨夜、最後のお客さんがみんな仲良くなり盛り上がってガンガン飲みだしハッピーな一体感になる。俺は一昨日飲み過ぎたから今夜はやめとこうと決めていたが、みんなが美味そうに飲んでいる姿を見ると「一杯くらい、ええやろ」となり、みんなで乾杯した。その際、1人の大学生みたいな子が「人生、その瞬間、瞬間を大切にしようぜ。その瞬間は2度とこない」と、人生の哲学を50も離れた青年から学んだ。さあ、乾杯や!と。
おかげでワイワイみんなと一緒に騒いでシャッターが3時半。帰宅してサッポロ一番みそラーメンを食べ寝る頃には外が明るくなり始め5時に眠剤飲んで寝た。
それから、急な展開になったが彼女が出来た。俺が高校の時、彼女は中学3年。彼女を三宮のセンター街で見た瞬間彼女の事ばかり考え、それからナンパし俺たちは手をつないで歩いた。あれからそれぞれ人生を歩いたがまさか60寸前で、もう一度手をつないで歩き始めた。
彼女の名はマリア。昔、マリアの家に行った時にマリアのお母さんが餃子を作ってくれた事がある。その餃子の味がめっちゃ美味しくて忘れられない。あれが今のベースになっている。シンプルな味。だから僕の餃子もシンプルだ。
今日はバイトのあこちゃんがコリスという京都の洋食屋さんの席を取ってくれたので寺夫妻と、おがわのクマとで乾杯の夜。それから神戸に帰り明日はゆっくり塩屋の休日。
絵でも描きたい。